唯都くんは『運命の番』を溺愛したい

 「俺の姫とか……運命の番がどうとかこうとか……」


 「今のこの時点でも琉乃ちゃんに愛を伝えているつもりだけど、心に響かない? おかしいな。王子モードから魔王モードにチェンジして、ドS責めの告白をした方が胸キュンさせられるのかな?」



 魔王モードの唯都様?

 微笑みながら我流くんをいたぶるダークキャラも、大好きです!

 ……って。

 推しへの愛を言葉で表現したい気持ちは、グッと抑えて。



 「でっでも私は、ベー……」


 「琉乃ちゃん、大事な話をするからちゃんと聞いて」


 「……はい」


 「俺はね、運命の(つがい)を探すためにアイドルをしているんだよ」



 初耳、そうなんですか。



 「アルファのなかでも、俺は特殊なんだって。今までオメガフェロモンをかぎ取れたことが、なかったんだ」


 「発情期のオメガが近くにいてもですか?」
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