唯都くんは『運命の番』を溺愛したい
「他のアルファ達があのオメガのフェロモンが濃厚すぎって騒いでいても、俺だけ全くオメガフェロモンに気づかないの」
「そういうアルファもいるんですね」
「でも今日は違った。ステージの上からでもわかったんだ。離れた木の下にいる琉乃ちゃんのオメガフェロモンが」
……へ?
私からオメガフェロモンが放出されていた?
いやいやいや、それは絶対におかしいです。
私はベータなんですよ。
アルファを魅了するフェロモンを放つことができるのは、この世でオメガだけなのに。
「そんなはずありません。私は……」
「α《アルファ》の血に誓うよ。キミを絶対に幸せにする」
「……」
「たくさん溺愛してたっぷり可愛がって、オメガとして生まれてきてよかったと俺が思わせてあげる」