唯都くんは『運命の番』を溺愛したい
α様は溺愛したい



 季節は進み、満月が綺麗なある晩のこと。

 久々に唯都様と再会できました。



 唯都様はトップアイドルで本当に忙しい人。

 世間からの引力がケタはずれ。

 求められすぎてなかなかオフを作れない。



 だからかたまに会うと、甘さが半端なくて。

 飼育型オメガへの可愛がり度が行き過ぎだから、私の心臓が過労死しないか心配に。

 


 発情を抑える強めの薬を飲んでいるにもかかわらず、私の呼吸はすでに荒れている。

 過呼吸っぽい。

 誰か助けてください。
 
 酸素を取りこむだけで苦しくて。




 最高級ホテルの最上階。

 唯都様が普段、プライベートでくつろぎ用に使っているスイートルーム。

 ソファもシャンデリアも壁紙までもが一級品で揃えられていて、壁一面の大きな窓の外には、黄金の満月が孤高の輝きを放っている。

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