唯都くんは『運命の番』を溺愛したい
宝石みたいにキラキラ輝く夜景を見おろし放題の窓際に立ってはいるものの、私に夜景を楽しむ余裕なんてない。
唯都様が与えてはくれない。
彼の体内をめぐるアルファの血が、早くも騒ぎだしてしまったようで。
「俺に後ろから抱きしめられているだけで、こんなに体温が上がっちゃうんだね」
唯都様は喜色のスイートボイスを、私の耳に吹きかけてきた。
「琉乃ちゃんの呼吸が乱れれば乱れるほど、俺を好きって伝えてくれているみたいで嬉しいな」
背後から私の耳たぶにチュッ。
「また俺に急所を晒して」
熱のこもった吐息を絡めた彼の唇は、私のうなじへ沈みこみ。
「こんなに甘いフェロモンを放たれたら、俺も理性なんて保てない。琉乃ちゃんの首に、一生消えない愛の刻印を刻み付けたくてたまらない」
フェロモンの甘さを確かめるように、首筋を踊る舌先。
「ねぇ、俺に一生愛されたい?」
とびきり甘い声に耳がとろけそうになり、ゾクゾクが背中を駆け上がり、意識がもうろうとする中で私は頷きを繰り返す。