唯都くんは『運命の番』を溺愛したい

 「お風呂に入るとき以外は、ずっとつけていてくれたら嬉しいな」



 首元を指で触ってみたけれど……


 「これって……チョーカー……ですか?」


 「白いレースがあしらわれているからオシャレでしょ?」


 「……えっと」


 「俺がデザインした特注品。運命の番が現れたら身に着けてもらえるように、細部までこだわりをつめこんだの。あっ、鏡がないから琉乃ちゃんは首元が確認できないか」


 「なっ、なんで私の首に? チョーカーなんて」


 「他のアルファに、琉乃ちゃんを取られたくないからね」



 愛しているけれどまだ(つが)ってはいないオメガに、アルファがオシャレなチョーカーをプレゼントする理由は、二つあるって聞いたことがある。



 一つは、他のアルファに首を噛ませないため。

 そして『このオメガは俺のものだ』という、遠隔威嚇用。


 
唯都様が私を所有物みたいに思ってくれているなんて、嬉しくならないはずがないけれど……
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