唯都くんは『運命の番』を溺愛したい

 「この子のお姉さんの方が、唯くんの探し人だったんだ。良かったね。運命のオメガが、運命の(つがい)が見つかって。唯くんはこの日のために、アイドルをやっていたもんね」



 無邪気にパチパチと手を叩き、唯都様を祝福している。




 「琉乃(るの)ありがとう。妹のあなたのおかげで、運命の王子様に出会えたわ」



 幸福そうに目じりを下げ喜ぶ理亜ちゃん。

 姉を見ているだけで、こんなにも心臓が痛めつけられたのは初めてだ。



 理亜ちゃんと唯都様が並ぶと、高値で落札された絵画みたい。

 見目麗しい王子様とお姫様のよう。

 顔面偏差値が高すぎる、美男美女カップルにしかみえないし。




 理亜ちゃんがオメガじゃないこと。

 今ここで私が暴露したら、どうなっちゃうのかな?



 心優しい唯都様のことだ。


 『俺はもう、理亜ちゃんのことが大好きなんだ』


 『オメガじゃなくてもいい。理亜ちゃんがアルファでも、一生愛しぬくと誓うよ』


 極甘ボイスで、美しい理亜ちゃんに愛をささいたりするのかも。
 

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