唯都くんは『運命の番』を溺愛したい
「というわけで、危険な場所じゃないってわかってくれたでしょ、琉乃」
「もしかして……私を冴ちゃんの大切な場所に招待してくれたの?」
「大事な友達には、私の全てを知ってて欲しいじゃん」
絡みついた冴ちゃんの腕。
抱かれた肩が嬉しい嬉しいと飛び跳ねる。
「ありがとう。建物の中がどうなっているか楽しみだよ」
「フフフ。いい笑顔、いい笑顔。清楚なメイドちゃんのキラキラスマイルを引き出せたところで、私と鷹哉のお役目はこれで終了ね」
ん?
「カギ開いたぞ」
えっ、何が起きているの?
まるでぶっきらぼうなドアマンのよう。
総長が玄関ドアを開けてくれて。
私の背中には、ササッと後ろに回り込んだ冴ちゃんの両手の平がぴったりフィット。