唯都くんは『運命の番』を溺愛したい

 フロアまで下りてきたと思ったら、片手をあげてニコっ。

 私を見つめたままニコニコっ。



 あれ、夢の中?

 私っていつの間にか寝ちゃったのかな?

 頬をつねっても普通に痛いってことは、睡眠中ではないか。



 まさか死んでる? 

 王子様が存在する異世界に転生しちゃったとか?



 わからない、わからない。

 ありえない、ありえない。




 脳がついていけずパニック状態な私。

 開けることすらできない玄関ドアに背中をくっつけ、体を震わせてしまう。



 うそでしょ?

 ゆっくりと近づいてくるよ。



 サラサラ髪の国宝級イケメンが!


 白タキシードがまばゆい王子様が!
 

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