今夜キミの温もりと。

プロローグ



今年もまた、夏が来る。

一週間後には、死んじゃうのに、騒いでるセミたち。

暑くて、何もかもが嫌になった私に、最初で最後の希望をくれた、君。


救われたんだ、何もかも。


溶けるアイスクリームを一緒に、一口で食べようって言ったり。

虹を追いかけながら、笑い合ったり。

青空の下で寝っ転がって、喋ったり。


全部、楽しかった。


永遠の思い出になった。
私が本当に心の底から、幸せになれた瞬間だった。

彼を見てると自然に笑顔になれた。



ねぇ、



ねぇ…。



だからさ…、ずっと私のそばにいてよ…。


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