今夜キミの温もりと。
え…?一口ちょうだい?


それって…、間接キスになるけど…。


待って待って、そんなことを考えたら、急に恥ずかしくなって来た…。




「あの…、一口ちょうだいって…。その…」




「お待たせ致しました!ご注文のいちごシェイクとコーヒーです!」



私が言いかけた言葉を遮ったのは、このカフェの店員さんだった。

笑顔でいちごシェイクとコーヒーを机に置いて、いなくなった店員さん。


「なー、ごめん。さっきなんて言った?」


 「いや…、なんでもない」


そう、なんでもないの。

翔は、別にキスとか考えて言ったわけじゃないよね。



気にしすぎなんだよ、私が。



でもさ、ごく普通の高校生同士なんだよ。

やっぱり、恥ずかしいし緊張するよ。




< 16 / 83 >

この作品をシェア

pagetop