今夜キミの温もりと。
一章 大切な人
「…じゃあな、涙もろい百合ちゃん」
ジリジリジリ。
暑い……。
眠い…。
今年も夏が来た。
私、岡山、百合。
高校二年生。
高校二年生と言っても、
私は…………、不登校なんだ。
なぜかと言うと…。
「百合ー!いい加減、グダグダしないの!もう、八時よ‼︎」
下から、大きな声で、
お母さんが話しかけてくる。
「うるさいなぁー!」
「学校行ってないんだから、
勉強ぐらいしなさい!」
はー。
朝から、うるさい。