今夜キミの温もりと。
私の勝手なわがままをなんで、受け止めてくれるの…?


誰も私を助けてくれなかったのに。

君なら本当に助けてくれそうな気がするのはなんでかな。



「来週も会える?サマースクールの応募したら、松の木公園に来て」



翔はそう言いながら、レジで私の分までお金を払ってくれた。

会計が済んだら、二人でドアを開けた。


行きと同じ、カランコロロンという音を鳴らしながらドアが開き、私達は別の方向へと歩き出していた。



「わかった。応募したら連絡するね…!」


「ああ、待ってる」


「ほらっ、翔は学校に行かなくっちゃ。じゃあ、私は家に帰るね」


「あー、うん。行ってくるな。…じゃあな、涙もろい百合ちゃん」


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