今夜キミの温もりと。
『ふーん。あっ、ゆり!あそこにみんないるよ』


『っ…!ままっ!』


『もう!百合ったら。心配したのよ!』

『えへへっ、しょうがね、見つけてくれたの』

心配してくれたことに嬉しくて、私は照れながらそう言ったっけ。


この日は、私が初めて翔と呼び捨てで呼んだ日。


『翔くんえらいねー。あら、ここでお別れじゃない。じゃあ、おやすみなさい』


私は、笑顔を作って手を振った。


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