今夜キミの温もりと。
「はぁ…」


なんとか、お母さんに話せた私は、そっとため息をした。


お母さんは、最初は私がこんなところに行くことにびっくりしていたけれど、賛成してくれた。


私は、今日翔と会ったことを言った。


カフェに行ったことは、言ってないけれど。


「そう、久しぶりに会ったのね。翔くんに」


「…うん」


「懐かしいわね。私は、百合が自分で外に出たことが凄く嬉しいわ」


…お母さん。

朝、あんなにケンカしたのに…、今こんなにも話せていることが不思議。


「…翔ね、優しかった」


思ったままのことを言うと、お母さんはびっくりしたような顔をした後、優しく微笑んでくれた。


「変わらないわね。百合は昔から翔くんのこと優しいって言ってるわ」


「うん。…部屋、戻るね」


「わかった。応募しとくわ」


「……」


私は、何も言わずに部屋に向かった。


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