今夜キミの温もりと。

三十分後、部屋がだいぶ綺麗になった。


ふー、これでいいか。

部屋全体を見回すと、端っこに一つ、ファイルが落ちていた。



……ん?何これ。

……汚い。でも、気になる。ほこりだらけじゃん。これ、私の物かな。


…やっぱり、汚いから触らない方がいいんじゃ…、いやでも、気になるし…。ああ、どうしよう。やっぱり…、いや…。でも…。



……結局、悩んだ末、開いてみることにした。
ほこりの被った、ファイルを開いてみたら、それは、驚くことにアルバムだった。

これ…、私が幼稚園の時から、中学校の時までの写真?

ペラペラペラ……。

めくっていくと、ほこりがその場に飛び散る。

ウソでしょ……。この写真は、本当に私だろうか。
こんな、笑顔の人が私だろうか。

私は、『あんまり、笑わないよね』と言う、傷つく言葉を何度言われたことがあるだろう。
それなのに、目の前にいる自分は、ものすごく笑顔でいっぱいだ。
私にも、こんな時期があったんだな…。

私がこんなふうに笑わなくなったのは、不登校になってたからかな………。

何で、もう笑えないんだろう…。



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