今夜キミの温もりと。
『おまえみたいな奴がモテると思うなよ!バーカ‼︎』


『調子乗んじゃねーよ‼︎おまえなんかが、生意気な口、聞いてんな!父親もいないくせにさ』



は…っ…。


思い出さないようにしてた、記憶。

ダメダメ。私は、死ぬまでこの記憶に蓋を閉じとくんだ。そう決めたんだ。

誰にも言えない、記憶。言ったら、引かれそうで。怖くて言えないんだ。

「百合!部屋の片付けしたの⁉︎」

「したよ!うるさい‼︎」

「なんなの⁉︎だったら、ちょっと、買い物して来てよ!」

うるさい、うるさいうるさいんだよ‼︎


「はあ⁉︎嫌に決まってんじゃん!ちょっと、黙ってよ‼︎」

バカじゃないの⁉︎という言葉を飲み込んで、その場に崩れ落ちる。


ねぇ、こんなこと言いたいわけじゃないんだよ。

そんな私の気持ちも知らずに、お母さんは怒鳴る。

「この家にいても邪魔なだけなのに、帰って来ないで!」

っ………‼︎

「いいよ!私だって、この家に住みたくて、住んでるわけじゃないしね!」


「何よ‼︎じゃあ、もう知らないわ‼︎じゃあね‼︎」






バタン‼︎




























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