心に刻まれし、君への想い
礼司も一緒に参加するのであれば、高野くんだけに教えてもらったことにならないよね?あのドーナツショップでの一件がまだ引っかかっている。
「個人練習してもらえるなら、すごく嬉しい。だけど、ひとつ聞いてもいい?」
「うん」
自席に腰を下ろして椅子ごと隣りの席に向け、高野くんと目線を合わせる。
「高野くんと礼司の間になにがあったかは聞かないけど、仲直りはした?」
「仲直り?」
「うん。2人が気まずいままだったら、嫌だなって思ったの」
もしまだ関係が拗れたままなのであれば、なにかきっかけを作ってあげたい。偉そうに聞こえるかもしれないけど、友達として仲直りの協力をしたいんだ。
「悪いのは全部、俺なんだ。礼司はダメな俺を叱ってくれただけ…全部、俺のせいなんだ」
「……」
高野くんは珍しく私から視線を逸らした。
聞きたい。2人の間に、なにがあったのか。