心に刻まれし、君への想い
「それに礼司は頑張って勇気を出そうとしている人と、喧嘩するような奴じゃないよ」
これだけは自信を持って言える。
いつもうじうじ悩んでばかりの私のことを笑ったりはしない。時に厳しく喝を入れてくることはあるけど…。
「そうだよね」
「うん」
「じゃぁ放課後、よろしく」
「こちらこそ、宜しくお願いします。2人には私から声をかけとくね」
放課後の約束をしてくれたけど、もしかしたら運動神経の良い3人に囲まれるであろう私よりも、礼司と仲違いをしているらしい高野くんの方が憂鬱かもしれない。
「雪菜、いつもありがとう」
「全然だよ!こちらこそ、ありがとうございます」
やっといつもの相手を魅了するような甘い笑顔で笑ってくれた。