心に刻まれし、君への想い
ベンチに座ったままの私と、立ったまま私の手のひらを包んでくれている高野くん。
状況はすぐに判断できた。
公園でリレーの練習をする約束をして、高野くんと礼司を待っていたんだ。
「ごめんなさい、寝ちゃってた…」
顔から火が出るほど恥ずかしかった。高野くんの前で居眠りしてしまうのは図書室に続き、これで2度目だ。
ベンチは公園内の一番日当たりが良い場所に設置されていて、時折吹く風が心地よかった。って、だだの言い訳ですけど!
礼司がいたら絶対に笑われてる!
「まだ眠い?」
幼い子供をあやすような甘ったるい声で問われ、胸の奥がざわざわとする。
「一緒に、昼寝しよっか。実は俺も眠いんだ」
「え?」
高野くんは言うと同時に私と手を繋いだまま、ベンチの隣りに腰掛けてきた。