心に刻まれし、君への想い
高野くんという大切な存在を知ってしまったら、私だってもう離れられないよ。
「リレーの練習だったね、始めようか」
「昼寝は大丈夫?」
「雪菜に触れてパワーチャージさせてもらったから、大丈夫」
繋がれた手を掲げ、そっと手が解放された。
もっと繋いでいたかったな。
そう思った自分が恥ずかしくて、話題を変える。
「そういえば礼司、来ないね」
メールには既読がついていたけど、まさかスルーするつもり?公園に集合と送ったのにな…。
クラスの練習を差し置いて個別練習するとは大きな声で言えず、高野くんとは別々に学校を出て、待ち合わせ場所は学校から少し離れたこの公園にした。
「校門で礼司と会ったけど、帰るって言ってたよ」
「そうなの?」
携帯を確認したが、返事は届いてなかった。