心に刻まれし、君への想い
少しくらい顔を出してくれてもいいのに。
立ち上がって足元にあった小石を蹴る。
礼司のバカ!
「最悪だよ。せっかく高野くんが来てくれたのに」
2人が仲直りできるチャンスだったのにな。
「…実はさ、昨日、雪菜の練習に付き合ってくれって、礼司に頼まれたんだ」
「え?」
「元陸上部なんだから、それくらいできるだろって言われた」
「礼司が?」
高野くんに頼んでくれたの?
「だから敢えて来ないんだと思う」
「……そっか、あいつも良いところあるね」
分かりにくいよ!
そうならそうと言ってくれたら良かったのに。
私のために、頼んでくれたんだ…。