心に刻まれし、君への想い
「…雪菜はもっと自分に自信を持って。それだけできっと、リレーも、他のことも上手くいくと思うよ。失敗を恐れて自分をセーブしないで」
先に口を開いたのは高野くんだった。
また気を遣わせちゃったね。
「なんて、偉そうにごめんね」
「ううん」
全然、偉そうなんかじゃないよ。
高野くんの言葉は真っ直ぐに私の心に届いた。
「…そろそろ、帰ろっか」
「うん、今日はありがとう」
「どういたしまして」
「ジュースもありがとう」
手を振って、公園で別れた。
帰る方向は同じだけれど、先に高野くんが私に背を向けて歩き出した。
高野くん…。
その背中を呼び止めたい衝動を抑えて、姿勢のいい後ろ姿を見送った。