心に刻まれし、君への想い

なぜ手を挙げたのか、
突然、なにをもってそんな勇気が出たのか、後から考えれば考えるほど分からなかった。

礼司が一番驚いていた気がするけど、それ以上に私が驚いてるんだから!

でも不思議と後悔はない。
なってしまったものは仕方ないと諦めている感じかな。

名乗り出た後、「雪菜、ありがとー」と真っ先に多絵が声をかけてくれて、高野くんも拍手をしてくれた。

クラス中から拍手が送られ、恥ずかしくて上手く反応できなかったけれど反対の声がなくてひどく安心した。


「みんな赤木に感謝するんだぞ。今日はクラス練習するのか?」

先生が私に聞いて来た。

「あ、はい…」

「だそうだ、みんな協力してくれな!もちろん強制ではないが…じゃぁ、帰りの会を終了する。号令!」


帰りの会が終わった後、ほとんど話したことのないクラスメートから「ありがとね〜」、「サンキュー!」そんな言葉をかけてもらった。

そしてなにより高野くんが、「一緒に頑張ろう」と言ってくれたことが嬉しかった。
< 128 / 166 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop