心に刻まれし、君への想い
委員になったからにはクラス練習に参加しないわけにはいかず、学校の隣りにある広場に向かう。部活や塾のない生徒の多くが参加してくれた。
「やるからには、頑張ろう!ほらみんな、雪菜のところに集まって!」
大声を張り上げることが苦手な私に代わり、多絵が持ち前の明るさで助けてくれた。
「高野、俺の走り方を見ててくんない?そんでアドバイスちょうだい」
「もちろん」
そんな会話も聞こえてきて、高野くんはいてくれるだけで心強い。
「赤木、2チームに分かれて本番さながらにやってみない?競争相手がいた方が、速く走れる気がするんだよね」
えっと…名前…あ、松戸くんがそう提案してくれた。
私はいいと思うけど…。
「いいじゃん、それやろうよ。分け方は席順とかでよくない?」
すぐに判断できない私の横から礼司が割って入ってくれた。
「だよな!赤木もいいよな?」
「うん!」
みんなに助けられて私はここに立っている。