心に刻まれし、君への想い
クラスや委員会も違い、接点がなかった私たちを結んでくれたのは礼司だった。
初めて英語のテストで赤点をとってしまい、学年1位の高野くんを紹介、いや無理矢理に連れて来て勉強を教えてもらった。
それがきっかけで仲良くなりーー好きになった。
告白は高野くんからだったけど、その頃にはもう私も彼のことが大好きだった。
付き合って1ヶ月。
昨日、ピンクの可愛いシュシュをプレゼントしてもらったばかりなのに。
別れて欲しいと、告げられている現実が理解できない。
「別れなくちゃ、ダメなのかな」
身体に負担をかけてしまうから、早く切り上げないといけないことは分かってる。3月と言えど、この大雨の中にいれば風邪を引くだろう。
でも、今、伝えなければ本当に終わってしまう。
「別れたくないよ」
「ごめん。病気になった以上、雪菜のことを優先してあげられないし…弱っていく俺を、君には見せたくない」
「私のことは後回しでいいよ!大変な時だからこそ、一緒にいたい!ひとりで戦わないで!」
縋って欲しいよ!