心に刻まれし、君への想い
鳥居の前で立ち止まり、2人でお辞儀をする。
今日は快晴で、おばあちゃんが笑ってくれているような気がした。
「雪菜、」
陽太が繋がれたままの手を少し強引に引っ張って、私を抱き締めた。
「さっき、おばあさんと神様に誓ったんだ。生涯かけて、雪菜を幸せにするって」
隣りで必死に私より長く祈っているから、その願いが叶えばいいと思っていたけれどーー私たちのことを誓ってくれていたんだね。
「雪菜、大好き」
胸の奥にじわりと熱いものが込み上げてくる。
これが幸せという感情なんだ。
「私も陽太が大好き!」
顔を見合わせて笑い合う。
陽太の笑顔はこれまでで一番優しくて、嬉しそうだ。
きっと、私も同じ表情をしているのだろう。
二度も同じ相手を好きになって、両想いになって、
それはもう、
奇跡を超えた『運命』と呼ぶのではないだろうかーー。
心に刻まれし、君への想い【完】
最後までお読みいただけた方が
ひとりでもいらっしゃったら
とても嬉しいです。
本当にありがとうございました!
(2024.06.23)