心に刻まれし、君への想い
高野くんの姿を目で追うと、ゲームから顔を上げた礼司と視線が絡む。
今朝も寝癖がひどい…。
前髪は自分で直したようで少しマシになっていたけれど、後ろ髪は盛大に外ハネしていた。
自身の後頭部を指さして寝癖のことを伝えようとしたものの礼司は首を傾げた。
ね・ぐ・せ
さらに口パクで伝えてみたが
「はぁ?」
怪訝な表情が返って来た。
あ、面倒くさそう。こっちは親切に教えてあげているのに。
中学生にもなって寝癖なんてダサいけれど、まぁどうでもいいよね。
放っておこうと席に着くと、大股で礼司が歩いて来た。