心に刻まれし、君への想い
ゆっくりと扉が開き、高野くんの登場を期待したが見知らぬ男子生徒だった。
目が合ってしまい少し気まずいが、彼は気にした様子もなく教室前方の貸出カウンターに座った。
ああ、図書委員会だ。
そう察して、カウンターから四角になる席に座る。
いつまでも立ってたらおかしいしね。
適当に教科書とノート、筆記用具を机の上に置く。
待っている間、英語の宿題でも終わらせてしまおうとペンを握った。
窓の外では陸上部が走り込みをしていて、大変そうだけど清々しい。
勉強かスポーツ。
両方とは言わないから、どちらかは得意に生まれたかったな…。