心に刻まれし、君への想い
大雨の中、誰かが何かを言っている。
哀しそうな顔で、なにかを。
なに?
「聞こえない!」
自分の大声が耳に届き、びっくりして起き上がる。
「え?」
「ん?」
目が合った相手も驚いている。
「高野くん!?」
目の前の整った顔立ちに悲鳴を上げる。
「気持ち良さそうに寝てたから、起こさなかったんだ」
形のいい唇に人差し指を当てた高野くんは小さな声で教えてくれた。
あ、ここは図書室だ…。