心に刻まれし、君への想い
待ちくたびれて寝てしまったのだ。
校庭を走っていた陸上部の姿は見えなくなっていた。
「ごめんなさい」
「謝ることないよ。こっちこそ、寝顔を見ちゃってごめんね」
「え、見てたの?」
「ずっと、見てたけど?」
「嘘っ…変な顔をしてたでしょ」
「可愛かったよ」
可愛かった?さらりとそう言われて、言葉に詰まる。
家族以外に言われたことないよ。クラスのキラキラとした女子たちには程遠いし。
「…寝言とか、言ってなかった?」
とりあえず話題を変えてしまおう。
「……言ってないよ」
今、間があったよね?
なにか言ってたのかな…否定してくれたのは高野くんの優しさ?そうだとしたら恥ずかしすぎる。