心に刻まれし、君への想い
「春休みはなにしてた?」

「たいしたことはしてないかな」

本当になんのイベントもない春休みだったな…。


「あのさ、」

『高野、これ知ってる?』


高野くんが言いかけたところで、クラスメートが割って入ってきた。


「ん?どれ?」


彼は高野くんの親友である平田(ひらた)くんだ。
2人でスマホの画面を覗き込む。

なに?私も見ていい?
そう言えたら良いのにね。

声をかける勇気はなく、そっと前に向き直る。

高野くんともう少し話をしたかったな。


居心地の悪い空間に逆戻りしてしまった。
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