心に刻まれし、君への想い
高野くんに彼女がいると聞いたことはないけれど、その艶々とした唇でキスしたことはあるのかな…。きっと柔らかいよね。
って、私はいったいなにを考えている?
変態じゃん!
少し優しくされたからって、何を意識してるのだろう。
「今度はかぼちゃコロッケもいいよなぁ」
「まだ食べたことないよ」
「俺も」
どうしよう、まだ胸の鼓動が早い気がする。
落ち着け、落ち着け…。
これが私の憧れていた青春なんだよ!
「雪菜は料理するの?」
「たまに、お母さんのお手伝いでするよ」
「そっか。俺も、たまにかな」
進む会話は平凡なのに、今は"雪菜"と呼ばれるだけで心臓が跳ねる。
残念ながら、とてもじゃないけれど"陽太くん"って呼べそうにないよ。