心に刻まれし、君への想い

それから1時間の後、早起きが効いたのかすっきりとした気分で登校した。

「よっしゃ!」

校門が閉まる直前に校庭に滑り込んだことを自慢しながら、教室に入って来た礼司にクラス中が笑顔になる。

私は笑えず、ただ呆れている。
本当に反省しないよね…。

既に次の教科のテキストを開いた高野くんも笑っていた。


「ねぇ、赤木(あかぎ)さんは礼司くんと幼馴染なんだよね?」

突然、背後から肩を叩かれて振り返る。


「…幼稚園の頃から一緒だよ」


後ろの席の大村(おおむら) 多絵(たえ)ちゃんだ。

挨拶はするけど、それ以上の言葉を交わしたことはなかった。


「昔からあんな感じ?楽しいね」

「全然変わらないよ。いつまでも幼稚園児だよ」


礼司のことであれば深く考えもせず口から出た。

私、上手く会話できている?
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