心に刻まれし、君への想い
朝の会が終わり、これから英語の授業が始まるというのに机に伏せて寝る体勢をとっている礼司の肩を叩く。
「ん」
身動きせずに声だけ聞こえた。
「今日もお母さんから買い物を頼まれてる?」
「ううん。昨日、買い溜めしたから」
「じゃぁさ、放課後は図書室ね」
「また?」
顔の周りを腕で囲っていて表情は見えないけれど、嫌そうだ。
「勉強しよ」
「俺はいいよ…」
「来て!」
「痛っ!」
礼司の腕をつねると、やっと顔を上げてくれた。
眉間にシワを寄せて、こちらを睨んでくる。
「来てよ!絶対ね!」
強めにそう言うと、気怠げに欠伸をした。