心に刻まれし、君への想い
第3章
放課後、教室から出ようとしている礼司を私より先に長谷川先生が捕まえた。
「礼司、英語と古典の時間も寝てたんだって?」
「いや、ちょっとうとうとしてた程度です」
いやいや、熟睡してたよね?先生が大声を出してやっと気付いてたし。
「遅刻に続いて居眠りか?それじゃぁ、理科室の掃除を頼むわ」
「いや、今日は掃除の日ではないし…」
「いいから、来い」
話しかける暇もなく長谷川先生に腕を引っ張られて連れて行かれてしまう。その姿を見て平田くんが笑っていた。
授業中に居眠りをした罰だし、自業自得だよね…。
「図書室、行く?」
高野くん…。
今日は教室で話しかけてくれた。
「行ってもいい?」
「もちろん」
私が返事をすると、高野くんは平田くんの背中を叩いてからバッグを肩にかけた。