心に刻まれし、君への想い

「雪菜の苦手な教科は？」

「やっぱり英語かな…」

高野くんはいつもの穏やかな表情に戻っていた。
良かった…。


「それじゃぁ英語から始めようか」

「助かる…」

英語の教科書と単語帳を机に並べる。


「この単元は分かる？」

「正直、よく理解できてなくて」


重要なポイントに絞って効率よく説明してくれた。すらすらと綺麗な文字でノートに書いてくれた英文は、不思議と頭に入ってくる。

できないことを馬鹿にするわけでもなく、何が分からないのかを確かめながら少しずつ進めてくれる。

高野くん、本当にいい人だ…。