心に刻まれし、君への想い
「礼司もちゃんと聞いててよ」
「おう」
返事はしてくれたものの左腕を枕にして眠る体勢に入っている。それでも顔だけはこちらを向けてくれて、目も開いていた。礼司の日焼け気味の肌では気付きにくいけれど、目元には薄いクマができている。
いつから?
「進めてもいい?」
「あ、うん。お願いします」
もしも友達のことで悩んでいるのなら、高野くんに聞けば分かるよね…。本当に私の知らない間に、何があったのだろう。
眠そうだったけれど、高野くんの説明を静かに礼司は聞いていた。
「ここまで大丈夫?」
「はい」
高野くんは礼司の方を見た。
礼儀知らずな体勢のままの礼司のことも気にかけてくれるんだ。