心に刻まれし、君への想い
「礼司は相変わらずだね」
ひとりになった高野くんが再び話しかけてきた。
「そうだね」
平田くんがスマホを礼司に見せると、2人は声に出して笑っていた。
私が見せてと言えなかったその画面をごく自然に見せてもらえている。
アホ礼司のくせに!
「始業式から遅刻とは彼らしいね」
「そうだね」
しまった、アホは私だ!
2回続けて"そうだね"って、高野くんに失礼じゃん。
「礼司と雪菜は本当に仲が良いね」
「え?」
雪菜?
さっき自己紹介したけど、まさか名前呼び?
驚いて高野くんを見る。
大きな目で彼は私を見つめ返して来た。