心に刻まれし、君への想い

新学期から2週間経つと、スポーツ大会の話題で持ちきりだった。今年の競技はリレーになった。

()けたりしたら全校生徒がその姿を目撃するのだ。背後から迫って来た相手に、追い抜かされる瞬間も泣きたくなる。実際、転けたことはないけれど、追い抜かされたことは何度もあるな…。

足の怪我を言い訳に欠席することもできたけれど、喉まで出かかって飲み込んだ。それは卑怯すぎるよね。


「リレー、足を引っ張りそうで嫌だな」

「男女混合だし、男子が頑張ってくれないとね」

階段に座り、お昼を食べながら多絵とスポーツ大会について話す。


「本番まで何回か練習あるよね」

多絵と仲良くなって分かった。彼女はスポーツ万能で、反射神経がいい。バレーボール部で活躍している話もよく聞いている。


「練習すら、憂鬱(ゆううつ)だよ…」

低い声を出す私の肩を多絵は叩いた。

「うちのクラス、陸上部が多いから期待できるんじゃない?」

「へぇ、そうなんだ」

陸上部所属の生徒が多いことで優勝を狙えるかもしれないれど、私にとっては大きなプレッシャーだ。
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