心に刻まれし、君への想い
「ん?雪菜って高野くんのことが好きなの?」
「いやいや、違うよ。陸上部のことも知らなかったし、高野くんのことをもっと知りたいって思って」
「気になるってことでしょ?それは好きってことじゃないの?」
にやけ顔で多絵が聞いてくるものだから、激しく首を振る。
「友達として!知りたいの!」
高野くんのために私でもできることを探りたいし、不用意に高野くんを傷つけないために知りたい。
「ムキになるところが怪しいですぞっ」
つんつんと人差し指で私の脇腹を突っついてくる多絵は面白がっていたけれど、しばらくからかった後に真面目な声のトーンで言った。
「高野くんって隙が無いよね。私も高野くんのこと、何も知らないかも。愚痴とかマイナスなことを言ってる姿を見たことないし…」