心に刻まれし、君への想い

面倒くさいとか、ぶつくさ文句を言いながらも練習に付き合ってくれることも分かっている。

でもね、今回は高野くんに教えてもらいたいんだ。そう素直に話すことは礼司を傷付けるだろう。

伝え方を間違えちゃダメだ。

「この間、陸上部を見る高野くんの表情が少し気になったんだ。私、高野くんが陸上部を辞めたことを知らなくて、後で多絵から聞いて。ああ、あの時の表情はそういうことだったんだ、気付いたの。もっと高野くんのことを知りたいし、仲良くなりたいって思うんだよね。スポーツ大会がきっかけになるかなって…」


礼司は目を合わせて、静かに聞いてくれた。


「礼司が教えてくれるって言ってくれたこと、とても嬉しいの!」

「おまえ、高野が気になるの?」

「…気になると言えば、気になるかな。だって初めてできたクラスの友達だよ?」


礼司と高野くんの間になにがあったのかは分からないけれど、私の本音は2人にも仲良くして欲しい。
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