心に刻まれし、君への想い
第4章

それから朝のジョギングを始めた。今更、体力作りは遅いかもしれないけれどやらないよりはマシかと思い、近所を一周ことが日課になりつつある。

入院生活やしばらく体育の授業を見学していたこともあって、想像以上に体力がなくなっていた。

それでも誰にも頼らず、ひとりで頑張ることに決めた。

今更、礼司に頼みにくくなっちゃったし。


「早起きは三文の徳」という言葉があるように、朝から頭がスッキリと冴えていて、学校に行く頃には眠気もすっかり覚めていた。

いつもより軽快な歩みで余裕をもって登校すれば、教室は静まり返っている。


「おはよ」

「おはよう」

既に高野くんは机に座っていて、文庫本を読んでいた。他の生徒の姿は見当たらない。

「早いね?」

「早く起きちゃって…高野くんはいつもこんなに早いの?」

「うん、だいたい教室に一番乗りかな」

朝からくっきりとした二重で少しの気怠(けだる)さも感じさせない。

サイドに綺麗に流れた前髪と、癖のないさらさらの髪の毛。どっかの誰かと違って、朝からヘアセットも完璧だった。
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