ただ、この夜から抜け出したくて。
家まであと5分。もう着いてしまう。
1時間ぐらいの外出だったけど、ちひろちゃんの笑顔も見れたし、すごく楽しかった。
「やっぱり病院、行きます。先生にも色々聞きたいし」
「え!?行ってくれるの?」
「篤見さんが付き添いに来てくれるなら」
「もちろん行くよ!毎回行くから」
「すごい前のめり…。普通、病院って行きたくないってならないですか?」
「ちひろちゃんの頼みなら、何でも喜んで引き受ける」
「何でもか、」
良かった。やっと病院に行く決断をしてくれた。
赤ちゃんを産むかは、ちひろちゃんが決めることで、僕はアドバイスと話を聞くことしかできない。