ただ、この夜から抜け出したくて。
別の日、寿司を食べたいと言うちひろちゃんと、回転寿司に。
ネタの種類の多さに、驚きが止まらない様子。
「お寿司屋さん初めてです。何でずっと回ってるの?」
「回転寿司だからね。初めて来たなんてびっくりだけど、見るんじゃなくて食べるんだよ。あと食べるなら、茹でか炙りにしようね」
「あ、そうか。食べるの忘れてました」
1口食べるごとに〝美味しい!〟と、目を輝かせて、毎回僕を見るちひろちゃん。
口いっぱいに寿司を頬張って、〝幸せだな〟と呟くちひろちゃんを見て、僕も幸せだなと思うと同時に、班長の言う通り、僕はやっぱりちひろちゃんが好きなんだと気づいた。
ちひろちゃんの苦笑いに胸が痛んだのも、間違いじゃないみたい。