ただ、この夜から抜け出したくて。
篤見さんの行動に、私もお母さんも笑いが止まらない。
こうやってお母さんと笑ったのは、いつぶりだろう。
お母さんの笑顔を見たのも、いつぶりだろう。
寂しい思いをさせていたんだな。
「お母さん…、ごめんね。私、多分大丈夫だと思う。最初は赤ちゃん下ろすつもりだったんだけど、今は産みたいって思う。これって立ち直れたんだよね」
「うん。立ち直れたんじゃないかな。ちひろが産みたいって思うなら、産みなさい。私はおばあちゃんになって、孫の世話を頑張らないと。今から体力つけとくわね」