ただ、この夜から抜け出したくて。
〝あんまり自分を責めすぎないでください〟
肩に先生の手がそっと置かれると、かけられた言葉と一緒に、重たい荷物が1つ無くなり、体の力がほんの少し抜けた気がした。
「幸せになってください。それが何よりの治療です」
「ありがとうございます。来月、また来ます」
「えぇ、待ってます。お気をつけて」
先生に頭を下げて病室を出ると、ちひろちゃんとお母さんが、遠くから見てもよく分かる仲直りをしていた。
上手くいったみたいだ。