ただ、この夜から抜け出したくて。
「刑事さん…」
「ん?あ、おはよう」
「私、いつからここで寝てたんですか?」
暴れて泣き疲れて寝落ちしたちひろちゃんが、ようやく起きた。
目を擦りながら、欠伸をするちひろちゃんに、少し安心した。
リラックスしているみたいだ。
「半日ぐらい寝てたかな。お昼のこと、覚えてる?」
「うーん…分からないです。もしかして変なことしてました?」
夢の中で話した女の子が、我に返った時には遅かったと言っていたように、ちひろちゃんにも昼の記憶がなかった。
直接伝えるべきか、何も言わない方が良いのか。