ただ、この夜から抜け出したくて。
でもどう助けて良いか分からないし、お腹に赤ちゃんがいる人の助け方なんて、自分で答えが出せない。
「あなたはあの子の家族でもないし、彼氏でもない。ただの刑事さんです。あの子の前で笑っているだけで、それで十分だと思いますよ」
「笑っているだけ…」
「もっと他の答えが欲しかったかな。でも今のあなたには、それが精一杯じゃないかしら。これからどうしたいかは自分で決めなさい。あの子のために」
僕はただ、ちひろちゃんに笑いかけていたら良い。
そして、これからどうするかは自分で決める。