ただ、この夜から抜け出したくて。
「篤見、あの子の様子はどうだ?よく会いに行ってるんだってな」
「心配で見に行ってます。もう暴れないとは思いますけど、色々あって。もう少しだけ会いに行かせてください」
「うん、それは全然気にしてないけど。篤見が潰れなかったら、俺は大丈夫だから。無理すんなよ」
「ありがとうございます。じゃあ班長、資料作成…」
「あ、電話鳴ってるぞ。またな」
うまく逃げられた。
心配してくれたついでに、手伝ってもらおうとしたけど、誰かに見られているみたいにタイミング良く、携帯が鳴った。
宛名は、〝公衆電話〟。