ただ、この夜から抜け出したくて。
こうなれば、半ば強引に連れ出すしかない。
腕を引っ張ると怖がられるだろうから、ちひろちゃんの背中に手を添えて立ってもらおうとすると、女の子とは思えないほど強い力で押し返されてしまった。
「…触らないでっ、!」
押し返されたと同時にちひろちゃんもバランスを崩し、2人が尻もちを付いた状態に。
そこで僕は初めて、ちひろちゃんの下半身が血だらけだと知った。
一気に緊迫した空気。これはただの監禁じゃない。
こんなにも僕を怖がっているのは、日常的に襲われていたからだ。
すぐに班長に電話をして、女性の警察官に毛布を持ってくるよう頼んだ。